瀑布街道
渓流遊歩道の入り口『石ケ戸の瀬』はゆるやかな流れてす。ここから遊歩道を終点の子の口まで、ゆっくり歩いて約2時間30分ほどです。遊歩道は国道102号線に沿っています。以前こ、真冬に来たときには積雪のため遊歩道はクローズのため、国道を歩きました。青森駅からのバスは冬季運休のため、東北本線の三沢駅からバスで入りました。
バスから降りたのは僕ひとりだけで、途中1頭のカモシカにあったほかは誰にも出会いませんでした。滝はすべて凍りついていて周囲は白一色であり、文字通り『フローズンタイム』のような光景でした。
歩いていて怖かったのは『地吹雪』です。突然、前方でゴォッと凄い音がしたかと思うと、地吹雪が白い壁となって怒涛のごとく襲ってくるのです。『耐ショック閃光防御!』は宇宙戦艦ヤマトの波動砲発射時におけるお約束のフレーズですが、一瞬そのアニメの情景が脳裏をよぎり、ともかくも姿勢を低くして両こぶしを握り締めて吹き飛ばされないよう防御態勢にはいりました。通過の際は、小さな雪つぶてが無数に顔面を直撃し、目もあいておられず、もちろん息もできません。
ゼエゼエと荒い息づかいをしてたいへんなところにやってきたものだとあらためて思いました。この地吹雪には合計4回ほど襲われました。いまは盛夏であり光にあふれており当時の白い音のない世界とはまるで別の場所にやってきたかのようです。
『阿修羅の流れ』はその名の通り、激しく水が踊ります。『飛金の流れ』では子供たちが水遊びをしていました。やがて滝が連続する区間に入り『瀑布街道』とよばれます。
すだれのような『岩菅の滝』、しぶきを浴びるような『雲井の滝』、ものすごい急流の『白銀の流れ』、とくに『白絹の滝』『白糸の滝』『不老の滝』『双白髪』の4つの滝は一度に目の当りにできることから『一目四滝』と呼ばれます。
まもなく瀑布街道の最大の滝『銚子大滝』が現れてきました(つづく)。

 
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