函館プチ散策
8月13日、朝から快晴でした。当時、函館を訪れた際には『恒例』といっていいほど、函館山に登って夜景を楽しむというのがお約束となっていました。しかし明日は早朝の連絡船で青森に戻ろうと思っていたため、今回は夜景見学はやめて自重し、明日に備えることにしました。
そのかわり函館発祥の地である『元町』界隈を軽く散策することにしました。元町公園には洋館の観光案内所があり、ここに函館を代表する明治の洋風建築『旧函館区公会堂』があります。『元町教会群』と呼ばれる一角には、聖ヨハネ教会・元町カトリック教会、そして観光パンフレットや絵はがきなどで著名な『ハリストス正教会』があります。ただこの日はあいにく工事中ですっぽり囲いで覆われており、完成は来年5月の予定とのことでした。赤レンガの『中華会館』は、明治43年に造られた日本で唯一の純中国風のレンガ造りの建物で、三国志の英雄『関羽』を祭る「関帝廟(かんていびょう)」があります。太刀川家住宅店舗は、1901年(明治34年)に建てられた『防火造店舗』です。函館は昔から『大火』に見舞われることが多かったからで、函館港を望む『基坂(もといざか)』も火災時の防火帯の役目を果たすため、このような広い幅員があります。
函館市電は、1913年(大正2年)開業の北海道初の路面電車です。慢性的な赤字のため路線縮小のほか、経営努力として車体前面広告の電車や、最近ではレトロ電車の『函館ハイカラ號』を走らせています。
いまは『函館ベイエリア』などと呼ばれ、再開発により多くの観光客を集めている『金森倉庫群』も、映画の定番のロケ地としては知られていましたが、観光的にはいまだ手つかずの眠った状態でした。函館港の遊覧船『臥牛(がぎゅう)』は函館山の別名である牛が伏せたような姿の『臥牛山』に由来し、現在は、さらに『クルーズ船』らしい精悍な外観を備えた『ブルームーン』が就航しています。海防艦の彼方には、函館桟橋で出航を待つ『羊蹄丸』が見えます。函館観光馬車の名前は『ともかず号』といい、当時はやりの『アメリカ横断ウルトラクイズ』の“マルバツクイズ”の題材にもなりました。(つづく)

 
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