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阿蘇草千里・米塚・九重夢大吊橋
火口からの帰路、『草千里ケ浜』に立ち寄りました。ここは烏帽子岳の直下に広がる直径約1キロメートルの草原です。のどかな風景のもとで乗馬体験や散策が楽しめますが、この日は先に述べたとおり、風も強く大変寒い日なので、馬に乗る人もおらず体験乗馬たちは身を寄せ合って寒そうにしておりました。またここには『阿蘇火山博物館』があって、火口見学規制時の見学場所としておすすめです。館内には、中岳火口に設置されたカメラにより火口の様子がライブで楽しめます。
またこの先の『草千里展望所』からは、こんもりとしたかわいらしい火山の『米塚』が見えます。れっきとした寄生火山で頂上部には火口跡も残っています。伝説によると昔、阿蘇が飢饉に見舞われたとき、健盤龍命(たけいわたつのみこと)が、収穫したコメを塚状に積み上げて人々にふるまったのでこの名がついたとのことです。高さ100メートルほどの小山ですが立ち入り禁止となっています。山の稜線のラインは牧草地の境界として築かれた『土塁』です。米塚はその微笑ましい容姿から阿蘇を象徴する山として観光パンフレットなどに取り上げられ大変に人気があります。
阿蘇をあとに、今度は昨日とは逆に、やまなみハイウェイを北上し、新名所の『九重“夢”大吊橋』(ここのえゆめおおつりはし)に向かいます。2006年10月30日にできた日本一の長さ(390m)と高さ(173m)の歩行者専用橋で、開通時からものすごい人気です。
紅葉の時期の土日などは駐車場が満車のため5〜6時間待ちというのもザラで、2008年11月17日には入場者が400万人を突破しました。開通からわずか2年の早さです。そのためここを訪れるときは仕事で行くときはもちろん週末は絶対に避けるようにしています。今回は平日なので駐車場もガラガラでした。
入場料500円を払って橋を渡ると、右手に落差83メートルの『震動の滝』が見えてきます。滝は2つあって手前が『雄滝』、奥が『雌滝』です。橋の中間地点に看板があって『あと残り半分です。がんばってわたりましょう』の文字があります。なにせ長いのでただ歩くだけでも片道15分ほどかかります。橋の床下は、これも有名な和歌山県十津川の『谷瀬の吊り橋』のように透けて見えたりはしないので、恐怖感はまったくないです。
九重“夢”大吊橋は近年、日本各地にブームのようにしてたてつづけにできた歩行者専用吊橋としてはもっとも成功した例といえるでしょう。(つづく)

ソニックからN700系のぞみ
玖珠ICから大分自動車道に乗り、レンタカーを返車するためにふたたび別府を目指します。途中『別府湾SA』で休憩しました。ここから望む別府湾の眺めは絶景です。ここから別府インターまでの区間は、濃霧の発生地帯として有名で、たびたび速度規制や通行止めになります。約11キロメートルにわたり『防霧ネット』が設置されていますがなんでも故障中とのことです。
JR別府駅は、立派な高架駅で、東口駅前には、別府温泉の開発者『油谷熊八』の像と、温泉地でよくみかける足湯ではなく『手湯』が設置されています。ホームで列車を待っていると、宮崎空港からの特急『にちりん16号』がやってきました。『RED EXPRESS』のヘッドマークあり、じつにハデな車体です。ここから16:22発特急『ソニック44号』で小倉駅経由で新幹線『のぞみ』で大阪まで帰りました。
特急『ソニック44号』は時刻表で「白いソニックで運転」との注釈があり、普段は博多〜長崎間の特急『かもめ』で運用されている885系特急用電車を使用しています。岡山県出身の有名な工業デザイナーの『水戸岡鋭冶(みとおかえいじ)』さんがデザインしたもので、ほかにもキハ72系『ゆふいんの森』や800系九州新幹線『つばめ』など、身近なところでは和歌山電鉄2270系『たま電車』などの列車たちも、水戸岡さんのデザインです。885系ソニックは白い車体に、いかにもかもめを連想させるフロントマスクで、愛嬌があります。車内の床やテーブルは木製で、シートは牛の本革という豪華なものです。
天井は板状になっていて非常にすっきりとしています。ソニックは大変気に入りました。小倉駅で、のぞみに乗り換えるとき、非常に名残惜しく感じられました。(おわり)

大阪府 S様

 
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