智頭から鳥取まで特急『スーパいなば』に乗りました。こちらはJR西日本所属のこれも新鋭のキハ187系です。岡山〜鳥取間を約1時間40分で結んでいてこれも振り子式のディーゼルカーです。最高速度はスーパーはくとと同じ130キロですが、わずか2両編成のこの特急はやけに揺れが激しく鳥取駅までの約30分、乗り心地は最悪でした。
現在の鳥取駅は昭和53年に完成した立派な高架式の駅舎です。ここからマツダレンタカーを借りました。新型デミオを期待したのですが、レンタカーの人からこれですと紹介されたのはなんと旧型でした。せっかく新型に乗れると思っていたのに残念でしたが、会社から安く(2日間で5000円)手配してもらったのでゼイタクは言えません。
ここから鳥取砂丘を目指しました。鳥取砂丘はいうまでもなく日本最大の砂丘です。仕事では数え切れないくらい訪れているのでべつに新鮮味もなにもありませんが、ただひとつ道路を横断して砂丘まで伸びる観光リフトには乗ったことがありません。この機会にどのような感じか利用してみることにしました。リフトは砂丘入り口から右手に入った小高い丘の上に建つ『砂丘センター』から出ていていわゆるペアリフトです。所要は約5分です。乗ってみると砂丘のはるか遠くのほうに日本海が見えますが乗車時間が短すぎるためすぐに降りなくてはなりません。
降りると目の前には『馬の背』と呼ばれる砂丘列が伸びていてその向こう側に日本海が広がっています。馬の背までは一見近くに思えますが実際ここから歩くと頂上までは片道30分ほどかかります。リフトの終点や砂丘入り口のドライブインでは無料で『長ぐつ』を貸し出しており本気で馬の背の頂上を目指すならこれに履き替えたほうがベストです。砂丘には名物の『観光ラクダ』がいてそれなりに人気があって活躍しているようですが、注意することは嬉しがってラクダのみの写真撮影をするだけでも『有料』となることです。もちろん一緒に並んでの撮影などはお金のかかるこというまでもありません(写真の案内板参照)。
観光ラクダたちの前を通って砂丘駐車場に降りると、そこで箒で砂の掃除をしていたおじさんが『北からのミサイルはもう発射されたよ』と教えてくれました。ここでいうミサイルとは、数日前から北朝鮮が『人工衛星』と称して発射予告を繰り返していたもので、時の麻生首相は『人工衛星だかテポドンだか知らんが我が国の安全を脅かすものには断固対処する』と不測の事態に備えて自衛隊にミサイル迎撃兵器を使った初の防空攻撃命令を発しました。
幸い北からの『人口衛星』なるものは、はるか日本の領空を飛び越えて太平洋に海ポチャしたことが判明し、みんな安堵の胸をなでおろしました。あとでレンタカーに戻ってラジオのNHKニュースを聞くと一発目は午前十一時半ごろに発射されたようです。なにせ『北』から近い日本海側の地方に来ているので、『人工衛星』が万が一軌道をそれて山陰地方に、ガミラスの遊星爆弾のように落下してきたならどうしようと思っていたので、ひとまず安心しました。
鳥取砂丘からは今日の宿泊地、三朝温泉とならぶ鳥取県の二大温泉地のひとつ『皆生温泉』を目指しました。皆生温泉での宿は、有名な『華水亭(かすいてい)』です。ホテルの窓からは美しい弓ヶ浜と日本海を望むことができます。
2010年、4月6日に鳥取県智頭出身の映画監督『西河克己』さんが肺炎のためお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。(つづく)

 
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