スーパーはくとで行く鳥取紀行
2009年の4月5日(日)〜4月6日(月)に特急『スーパーはくと』に乗って鳥取に行って来ました。
最初の見学地は『智頭』です。スーパーはくと、は智頭急行の新鋭車両でHOT7000系という最高時速130キロ運転が可能な強力な制御振り子式のディーゼルカーです。
京都始発で大阪から鳥取県の智頭まで約2時間で結んでいます。
車内は座席やドア部分に木材を取り入れていて和風の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。通路出入り口の上部にはLED電光案内板が設置され停車駅の表示や簡単な観光案内などがながされています。さらに車両の一方の出入り口の仕切り壁部分の液晶テレビには、先頭車の前方カメラの映像が映し出されていて迫力ある走行シーンが体感できます。
智頭駅に着いたスーパーはくと1号(写真)から、興味深い人物が一緒に降りてきました。自民党の石破農林水産大臣(当時)です。少しハニカミながら大勢の黒いスーツを着たSPたちに囲まれて足早に目の前を通り過ぎると、駅前に待たせてあった黒塗りのセダンに乗り込むといずこへと走り去っていきました。大臣(当時)の選挙区が鳥取だと知ったのは後日のことです。政権交代に湧いた衆院選挙のためのお国入りだったようです。
智頭駅前に出るとJRと智頭急行の2つの駅舎がそれぞれに建っていてちょっと変わった様子です。智頭宿は江戸時代、鳥取県で最大の宿場町だったところで鳥取池田藩が江戸に参勤交代の場合、鳥取発の1泊目、江戸発の場合、最終の宿泊地でした。諏訪酒造は週刊モーニングに連載された『夏子の酒』にも出てきた古い酒造で『諏訪泉』という銘柄を主商品としています。利き酒もできます。
レトロな『西河克己映画記念館』は智頭出身の西河映画監督の記念館で当時の映写機や時代を感じる伊豆の踊り子などの作品ポスターが展示されています。
智頭は杉の街でもあるので杉玉工房がたくさんあります。智頭宿でもっとも有名な建造物が『石谷家住宅』です。広大な池泉回遊式日本庭園と部屋数40、土蔵7つを備えた近代和風建築で国の重要文化財です。建物内部に入るとそこには土間があって見上げると巨木の梁組、大黒柱の凛とした輝きに圧倒されます。石谷家住宅の前には、これもレトロな『消防屯所』があって、なにやら過去にタイムスリップしたような気分になります。
帰りに『千代川』(せんだいがわ)にかかる京橋のたもとの桜並木に立ち寄りました。北国の春というか満開間近でした。(つづく)

 
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